RustDeskは通常、9桁のIDとリレーサーバーを経由して接続します。ですが同一LAN内やVPNでつながったネットワークであれば、IPアドレスを直接指定して、リレーを介さずに接続できます。本記事では、その設定手順とハマりどころをまとめます。
直接IP接続が使える場面
直接IP接続は、接続元から接続先のIPアドレスへ直接到達できる経路がある場合に利用できます。具体的には次のようなケースです。
- 同一LAN(自宅・社内ネットワーク)内の端末同士
- Tailscaleや WireGuard などのVPNでつながった端末同士(
100.x.x.xや VPN内のプライベートIPを指定) - 自前のRustDeskサーバー(hbbs/hbbr)が落ちている、またはリレーがDDoS等で使えないときの代替経路
IDサーバーやリレーサーバーを一切経由しないため、経路がシンプルで低遅延になるのが利点です。逆に言えば、接続元から接続先のIPへ到達できるネットワーク経路があることが前提になります。インターネット越しにグローバルIPで直接つなぐ場合は、ポート転送やファイアウォールの開放が別途必要です。
受信側(操作される側)の設定
直接IP接続では、操作される側(受信側)でのみ設定が必要です。操作する側(接続元)には特別な設定はいりません。
RustDeskクライアントを開き、以下の順に進みます。
- ID横の三点メニュー →「設定(Settings)」 2.「セキュリティ(Security)」セクションを開く 3.「セキュリティ(Security)」サブセクション内の 「ダイレクトIPアクセスを有効にする(Enable direct IP access)」 にチェックを入れる
これで受信側が、デフォルトの TCP 21118番ポート で直接接続を待ち受けるようになります。ポート番号は、チェックを入れると下に表示される「Direct IP access port」で変更できます。
OSによって設定項目の名称や場所が多少異なります。デスクトップ版は
設定 → セキュリティ → セキュリティ → ダイレクトIPアクセスの階層、モバイル版は設定 → 画面共有 → ダイレクトIPアクセスになります。
パスワードは固定がおすすめ
直接IP接続でも、パスワード認証は必要です。デフォルトはワンタイムパスワードですが、これは接続のたびに受信側の画面に表示される値を伝える必要があります。モニターのないヘッドレス機や無人運用では扱いづらいため、固定パスワード(恒久的なパスワード)を設定しておくのが実用的です。
設定は、セキュリティセクションの「パスワード」項目から行えます。
接続側の手順
接続元の操作はシンプルで、設定は不要です。メイン画面の 「リモートデスクトップを制御(Control Remote Desktop)」 欄に、IDの代わりに接続先のIPアドレスを入力するだけです。
192.168.1.50
ポートをデフォルトの21118から変更している場合は、IP:ポート の形式で指定します。
192.168.1.50:21118
入力したら「接続」を押し、受信側で設定したパスワードを入力すれば接続が確立します。一度接続してパスワードが変わっていなければ、次回以降の再入力は不要です。
ファイアウォール/ポート開放
直接IP接続を使うには、受信側で待ち受けポートを開けておく必要があります。
| ポート | プロトコル | 用途 |
|---|---|---|
| 21118 | TCP | ダイレクトIPアクセス(デフォルト) |
受信側のOSのファイアウォール(Windows Defender、firewalld、ESETなどのセキュリティソフト)で、RustDesk本体の実行ファイル、もしくは21118番ポートの受信を許可しておきます。セキュリティソフトがブロックしていると、IPを正しく指定しても接続が確立しないので注意してください。
なお、これはリレー経由の通常接続で使うポート(21115〜21117)とは別物です。直接IP接続だけを使うのであれば、21118だけを開けば十分です。
補足:IPホワイトリストでアクセス制限
直接IP接続は、IPに到達できれば誰でも接続を試みられる状態になります。接続元を絞りたい場合は、セキュリティ設定の IPホワイトリスト で許可するIPを限定しておくと、安全性が上がります。VPN経由でのみ接続させたいときなどに有効です。
まとめ
- 直接IP接続は 受信側で「ダイレクトIPアクセスを有効にする」 だけで使えます
- 待ち受けは TCP 21118、ファイアウォールでの開放が必要です
- 接続側は「リモートデスクトップを制御」欄に IP(必要なら
IP:ポート) を入力するだけです - 無人運用なら 固定パスワード を設定しておきましょう
- 同一LANやVPN内ならリレー不要で低遅延、自前サーバーのバックアップ経路としても使えます

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