はじめに
取引先や金融機関から送られてくるPDFには、開くたびにパスワード入力を求められるものがあります。セキュリティ上は妥当な運用ですが、社内で何度も参照する資料や、自分だけが使う保管用のファイルにまで毎回パスワードを打つのは地味に手間がかかります。
この記事では、無料のコマンドラインツール「qpdf」を使って、パスワード保護されたPDFを解除し、パスワードなしのファイルとして保存する方法を紹介します。
注意点
作業に入る前に、以下の点をご確認ください。
- 解除してよいファイルかを確認する:第三者が発行したPDFにパスワードがかかっている場合、そのパスワードは正当な理由があって設定されています。自分が開く権限を持つファイルであることを前提に、社内規定や契約上問題がないか確認した上で作業してください。
- オンラインの無料変換サイトは避ける:検索すると「PDFパスワード解除」を謳うオンラインサービスが多数見つかりますが、ファイルやパスワードを外部サーバーにアップロードすることになるため、特に業務文書や個人情報を含む資料では推奨しません。今回紹介する方法は、すべて自分のPC上で完結します。
必要なもの
- Windows、Mac、Linuxのいずれか
- 解除したいPDFファイル
- そのPDFを開くためのパスワード
qpdfとは
qpdfは、PDFの構造を変換・検査するためのオープンソースのコマンドラインツールです。暗号化の解除だけでなく、ページの結合・分割・回転など幅広い操作に対応していますが、今回はパスワード解除機能のみを使います。
インストール方法
Windowsの場合
公式サイト(qpdf.github.io)からインストーラーをダウンロードし、インストールします。インストール後、コマンドプロンプトまたはPowerShellから qpdf.exe を実行できるようになります。 <!– FILL: 実際にインストールした際のバージョンやハマった点があれば記載 –>
Macの場合
Homebrewが導入済みであれば、以下のコマンド一つで完了します。
brew install qpdf
Linuxの場合
主要ディストリビューションのパッケージマネージャーからインストールできます。
# Debian/Ubuntu系
sudo apt install qpdf
# RHEL/AlmaLinux系
sudo dnf install qpdf
パスワードを解除するコマンド
インストールが完了したら、対象のPDFがあるフォルダでターミナル(またはコマンドプロンプト)を開き、次のコマンドを実行します。
qpdf --password=(パスワード) --decrypt 入力ファイル.pdf 出力ファイル.pdf
Windows環境で qpdf.exe のパスが通っていない場合は、実行ファイルのフルパスを指定するか、bin フォルダに移動してから実行してください。
D:\app\qpdf-12.3.2-mingw64\bin>qpdf.exe --password=(パスワード) --decrypt "入力ファイルのフルパス.pdf" "出力ファイルのフルパス.pdf"
つまずきやすいポイント
--decrypt オプションだけを指定して出力ファイル名を省略すると、以下のようなエラーになります。
qpdf: an output file name is required; use - for standard output
qpdfは「入力ファイル」と「出力ファイル」を両方指定する仕様のため、必ずコマンドの末尾に保存先のファイル名を追加してください。標準出力に流したい場合は - を指定することもできます。
解除できたか確認する
出力されたファイルにパスワードがかかっていないか、pdfinfo コマンドで確認できます。
pdfinfo 出力ファイル.pdf
結果の中に Encrypted: no と表示されていれば、パスワード保護が解除されています。
Encrypted: no
元のファイルは上書きされずそのまま残るので、誤って大事なファイルを壊してしまう心配もありません。
まとめ
- パスワード保護されたPDFは、無料ツール「qpdf」を使えばコマンド一つで解除できる
- オンラインの変換サービスは情報漏洩リスクがあるため、業務文書には使わない方が安全
--decryptを使う際は、入力ファイルと出力ファイルの両方を指定するのを忘れずに
<!– FILL: 実務でどんな場面(頻繁に参照する資料の管理、社内共有時の運用など)に活用しているかを補足 –> <!– FILL: 関連する自社サービスや案件があれば、さりげなく紹介するリンクをここに設置 –>

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